北村想が塾長を務め、アイホール(兵庫県伊丹市)で1996年より始まった劇作家養成講座・伊丹想流私塾とナビロフトは、同塾師範・卒業生らが、ナビロフトでオリジナル戯曲を上演する交流企画《Visitors/ビジターズ》を開始、関西と名古屋とのさらなる相互交流促進を目指します。
僕は前々から、名古屋は日本の真ん中くらいに位置しているのだから、日本演劇界のハブ空港みたいになれたら良いのにと思っていました。そのためにすべきことは沢山あり、少しずつそれに向かって歩みを進めていたのですが、昨年、ナビロフトというプラットホームの運営に携わることができ、さらにこのタイミングで、伊丹想流私塾との交流企画《Visitors》を開催できるということは、とても大きなことだと思っています。
想流私塾は、日本演劇界の中核を担う人材を次から次へと輩出している、凄い劇作家育成講座です。今回来名する四劇団はいずれも名古屋初登場、もちろん塾卒業生を座付き作家に持ち、現在、関西で大きな注目を集めている精鋭ばかりです。《Visitors》は、当地域の演劇界に大きな刺激をもたらし、関西と名古屋の都市間交流推進に大きく寄与することでしょう。そしてこの事業が、第二回目、三回目の《Visitors》に繋がり、さらには、関西以外からのビジターがこの地を訪れる道標となるよう、スタッフ一同頑張りたいと思っています。
沢山の皆様のご来場を願っています。演劇は、アーティストだけでなく、観客の皆様や多くの協力者、劇場や稽古場などを含む様々な環境に支えられて成り立っています。関西から名古屋へ、名古屋から全国への礎となる《Visitors》を、どうぞよろしくお願いいたします。
ナビロフト 小熊ヒデジ
こちらは、2017年に開催されたナビロフト×伊丹想流私塾 交流企画《Visitors》アーカイブです。
当初、4団体4作品の上演予定でしたが、
最終的には6団体・7作品・関連企画3つの開催となりました。
Visitors 全プログラム紹介
2017年
◎講師:くるみざわしん(光の領地)・増田雄(モンゴルズシアターカンパニー)+高橋恵(虚空旅団)
◎日程:2017年9月3日(日)
◎作・出演:くるみざわしん(光の領地)
◎演出・出演:増田雄(モンゴルズシアターカンパニー)
◎日程:9月26日(火)19:30
■光の領地『振って、振られて』
◎作:くるみざわしん|演出:増田雄
◎日程:9月27日(水)~10月1日(日)
◎日程・9月29日(金)17:30|9月30日(土)13:00|10月1日(日)12:00
◎作・演出:高橋恵
◎日程:10月6日(金)〜8日(日)
lullaby , everybody sleep tight. 〜子守歌、すべてのひとに眠りを〜
◎作:北村想、演出:髙橋恵(虚空旅団)
◎出演:船戸香里
◎日程:10月7日(土)16時、10月8日(日)13時
◎作・演出:はしぐちしん
◎10月9日(月・祝))13:00/16:00
◎講師:中村ケンシ
◎日程:2017年12月3日(日)
◎作・演出:林慎一郎
◎日程:12月9日(土)・10日(日)
■空の驛舎『かえりみちの木』
◎作・演出:中村ケンシ
◎日程:2018年2月24日(土)・25日(日)
★特別公演…漱石狂言『坊っちゃん』
9月26日(火)19:30
作・出演:くるみざわしん(光の領地)
演出・出演:増田雄(モンゴルズシアターカンパニー)
愛知県芸術劇場で2014年に上演した作品を
大きく練り直し、再演!
★くるみざわしん 戯曲講座開催
北区つかこうへい劇団、伊丹想流私塾で劇作を、大阪文学学校で詩作を学んだくるみざわしんが戯曲執筆のコツと工夫を教えます。
□日程:9 月 29 日(金)〜 10 月 1 日(日)
□会場:ナビロフト
■日程:2017年9月27日〜10月1日(日)
■会場:ナビロフト
光の領地(ひかりのりょうち)
2008年旗揚げ。「闇に領分を作る」を活動の核に定め、劇団名を「光の領地」とする。11年の震災・原発事故以後、活動地域を大阪から広げることを試み、14年に名古屋と明石で、15年に長野県中川村と松本で、17年には香川と松本で公演を行う。他の劇団との提携にも積極的に取り組み、これまでにエイチエムピー・シアターカンパニー、虚空旅団、モンゴルスシアターカンパニーと共同製作を行っている。
くるみざわしん
北区つかこうへい劇団戯曲作法塾を経て、伊丹想流私塾第10期生として劇作を学ぶ。2007年『うどん屋』でテアトロ新人戯曲賞佳作を受賞。14年『蛇には、蛇を』が日本劇作家協会新人戯曲賞最終候補に残る。15年『ひなの砦』で第22回OMS戯曲賞佳作を、16年『同郷同年』で日本の劇戯曲賞2016を受賞。『同郷同年』は17年9月に東京の恵比寿・エコー劇場で宮田慶子演出で上演される。詩人としても作品を発表しており、伊東静雄賞佳作、部落解放文学賞等を受賞。
虚空旅団『Voice Training』
作・演出:高橋恵
■日程:2017年10月6日(金)〜10月8日(日)
■会場:ナビロフト
虚空旅団(こくうりょだん)
1992年甲南女子大学演劇部OGらにより「劇団逆境VAND」を旗揚げ。2006年劇団名を「虚空旅団」に改名。年1~2回のペースで代表・劇作家・演出家の高橋恵のオリジナル戯曲を上演。徹底した取材による端正な戯曲と、「観客の気持ちを濾過し、生活にやさしく送り返す芝居」をモットーにしている。
高橋恵(たかはし・めぐみ)
劇作家・演出家。劇団「虚空旅団」代表。伊丹想流私塾第4期生。第14期から第21期まで同塾の師範を務める。2015年『誰故草』で第22回OMS戯曲賞大賞を受賞。主な作品にAI・HALL+岩崎正裕共同製作『フローレンスの庭』など。劇場プロデュース公演やラジオドラマへの書き下ろしも多数手がける。現在、伊丹想流劇塾マスターコース講師を務めている。
★同時開催『振り袖講談 vol.2 lulllaby,everybody sleep tight.
〜子守歌、すべてのひとに眠りを〜』
◎作:北村想、演出:髙橋恵(虚空旅団)
◎出演:船戸香里(振り袖かを里)
□10月7日(土)・8日(日)
□虚空旅団公演期間中に、ナビロフトで開催。
極東退屈道場『ファントム』
作・演出:林慎一郎
■日程:2017年12月9日〜12月10日(日)
■会場:ナビロフト
極東退屈道場(きょくとうたいくつどうじょう)
劇作家・演出家の林慎一郎が主宰する演劇ユニット。2007年7月活動開始。公演ごとに俳優を集める個人プロデュースの形態をとっている。「都市」を題材に、取材(主に散歩)した情報に基づき、膨大なモノローグと映像やダンスを用いた「報告劇」として立ち上げている。都市に暮らす人々の姿を、俯瞰的な目線からノイジーに点描することで、その中に蜃気楼のように浮遊する「都市」の姿を切り取る試みを続けている。その独特な切り口と、愛すべき都市生活者たちの人物造形が特徴。
林慎一郎(はやし・しんいちろう)
1977年北海道函館市生まれ。劇作家・演出家。伊丹想流私塾第8期生。第12期~第18期まで同塾の師範を務める。2011年『サブウェイ』で第18回OMS戯曲賞大賞を、13年『タイムズ』で第20回OMS戯曲賞特別賞を受賞。『ガベコレ-garbage collection』で第15回 AAF戯曲賞候補、『PORTAL』で第61回岸田國士戯曲賞候補に選出。近年は多くの演出家との共同作業でも成果をあげており、『ストレッチポリマーインターフェース』(演出:内藤裕敬(南河内万歳一座))、『タイムズ』(演出:佐藤信)、『PORTAL』(演出:松本雄吉(維新派))などがある。現在、伊丹想流劇塾マスターコース講師。
空の驛舎『かえりみちの木』
作・演出:中村ケンシ
■日程:2018年2月24日(土)〜2月25日(日)
■会場:ナビロフト
遠くで低く雷が鳴る。灰色の冬の空から雨が黒い線となって落ちてくる。山間の村。巨木はただそこに立っている。雨宿りをしている一人の女。都会からやってきた。行くのか戻るのか。女は雨を見つめながら思案に暮れている。
空の驛舎(そらのえき)
2003年、劇作家・中村ケンシを中心に結成。04年『すばらしいさよなら』で旗揚げ以降、28作品を上演。今回、初めて大阪・兵庫以外での公演となる。登場人物の内面に寄り添い、会話を積み重ねて、劇世界を構築。「ヒトとヒトの関わり」と「矛盾を孕む人間の、それでも生きていこうと不条理な世界に佇む姿」を描き続けている。
中村ケンシ(なかむら・けんし)
伊丹想流私塾第3期生。第6期から第11期まで同塾の師範を務める。2003年『てのひらのさかな』で第10回OMS戯曲賞佳作を、13年『追伸』で第20回OMS戯曲賞大賞を受賞。同賞では過去16年間で12回も最終選考に残り、「ホームランバッターではないが確実に塁に出る」劇作家と呼ばれる。それでいいのか。本公演より、心機一転、中村賢司を中村ケンシと改める。ロックミュージック愛好家であり、猫派、帽子党。
主催:Visitors 実行委員会、虚空旅団、光の領地、極東退屈道場、空の驛舎
共催:ナビロフト、Loft Plan | 提携:伊丹市立演劇ホール | 後援:名古屋市教育委員会 | 制作協力:名古屋演劇教室
【Visitors 総合チラシ画像】
取材記事・メディア情報
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□ステージナタリー
《ナビロフト×伊丹想流私塾「Visitors」に名古屋初登場の4劇団》
□DUCK SCOOP|家鴨通信
《北村想の門人たちが“聖地”に登場》
□中日新聞 2017年9月13日夕刊
★新聞記事は、画像クリックで拡大できます。
□朝日新聞 2017年9月15日夕刊